蜂窩織炎
どんな病気か
 
 骨の周囲に付着する筋肉と筋肉のすきまや、あごの下や舌の下にあるつばを作る組織のまわりに炎症が広がる病気です。口底蜂窩織炎(こうていほうかしきえん)や頬部蜂窩織炎(きょうぶほうかしきえん)などと呼ばれます。

原因は何か
 口内細菌によるう蝕(しょく)(むし歯)からの歯髄炎(しずいえん)や歯周炎(ししゅうえん)へと進行する歯性感染が原因になることが最も多く、歯周・歯槽部(しそうぶ)の炎症や顎骨(がくこつ)の炎症から引き続いて発症します。

症状の現れ方
 口底蜂窩織炎では、口腔底部が発赤し、びまん性にはれて、あごの下が二重あごのように突き出てきます。舌の下側がはれてくるため、舌は下からもち上がり、舌運動が障害され、嚥下(えんげ)障害が起こり、唾液が口の外に流れるようになります。
 頬部蜂窩織炎では、頬部の皮膚は発赤し、熱感があり、びまん性にはれて、テカテカ感を示します。さらに、下まぶたや口唇まで広範囲にびまん性のはれが広がります。時にはまぶた周囲にも及び、眼があけられなくなる場合もあります。この病気でもっとも怖いのが膿が肺の方へ広がることです。

検査と診断
 原因と思われる歯をX線写真で調べ、さらにCT、MRIで炎症の範囲を調べます。また、検温、血液検査で炎症の程度を調べます。

治療の方法
 抗菌薬の点滴静脈注射、水分の補給を行います。膿瘍(のうよう)が形成されていれば口腔内から、場合によっては口腔外から切開し、うみを出します。また、原因となった歯の治療を行います。歯の保存が不可能な時は、炎症がおさまってから抜歯します。

あごの炎症に気づいたらどうする
 
 あごの炎症は程度がひどいため、入院して集中的に治療を行うことが少なくありません。
一刻も早く口腔外科のある総合病院や大学病院の歯科口腔外科を受診してください。

どの状態が危険?いつ大きい病院に行った方がいい?
呼吸が苦しく、飲み込みしたときに痛みがあるときは夜間でも病院へ

1,体温36℃以下(体温が低すぎるのも危険、特に高齢者)、または38℃以上
2,脈拍数90回/分以上(時計で1分はかり脈を測ります。90回以上)
3,呼吸が苦しい
  呼吸数>20回/分(呼吸回数:吸って、吐いが1回;1分間で20回以上)
4,嚥下痛(飲み込みするときに痛み)がある。